紙の手帳がデジタルに優位なのは「新陳代謝」だと気づいた

昨日、YouTubeで僕の新作動画をアップしました。

この動画や前回の僕のブログ記事を見ていただけると分かりますが、僕は常に持ち歩く手帳を「iPhoneと同じかそれ以下ぐらいの重さの手帳」であるという理想を追求していて、動画ではそれを実践している様子をお伝えできたと思います。

僕の10月現在のロルバーンミニは約65g、システムダイアリーはリフィル込みで約130gで、iPhone 12 miniの134g以下に収まっています。職場での使用に関しては、ここ数ヶ月はシステムダイアリーを使うことが圧倒的に多くなってきていて、それでもロルバーンミニはめっちゃ軽いし、たまに使うこともあるので、やっぱり職場にも持っていこう、って感じだったんですが、ついに8月以降は、システムダイアリーだけを持って行くことになり、これは現在も続いています。

高校生以来、とにかくなんでもロルバーンミニに書きたがる僕にとっては、大きな決断になりましたが、今のところ順調です。ロルバーンミニはもちろん使うのをやめたわけではなくて、仕事以外の場面ではこれまで通り、持ち歩いて使っています。軽くて小さな手帳だから、といって何冊も持ち歩いていると結局、合わせると重くなっていくので、TPOに合わせてどちらか1冊を持って行く、そのための付箋を使った連携の方法を、最新の動画ではお伝えできたと思っています。

ロルバーンミニにしろ、システムダイアリーにしろ、僕が軽さにこだわるのは持ち歩きの利便性ということがもちろんメインですが、最近はもうひとつのメリットとして、軽い手帳を持ち歩くことで情報の「新陳代謝が良くなる」ということに気づきました。

小さな薄い紙の手帳だと、持ち歩ける情報の量が限られます。だからこそ、その時に必要な情報だけを持ち歩こうという意識が働きます。なのでロルバーンミニでは、タスクや一時的な備忘録は直接ページには書かずに、付箋にメモするようにして、不要なら付箋を破棄して、大切そうなメモだけをページに貼るという方法をとっています。そうするとロルバーンミニに書いてあるメモの大切さの密度が上がるので、あとでパラパラめくって読み返す価値があると思えるノートになっていきます。

システムダイアリーだと、バインダー式なので必要なリフィルをメインのバインダー(10月現在では黒のバインダーをメインにしてます)に、それほどでないリフィルはサブのバインダー(現在はボルドーレッドのほうです)に入れたり、無印のボックスに保管したり、ということをしています。必要か必要でないか選り分けるときにメモを当然見るので、それが書いたメモを振り返ることにもなっています。

自分にとって必要なメモや情報を選り分ける感覚は、とても人間的というかアナログなことなので、たぶん紙の手帳はそういうことに向いているのかな、と思っています。

デジタルメモと比較するとそれがはっきり分かります。僕は2年ほど前は、検索性をよくするためにiPadとiPhoneを使って、ほとんどのメモをデジタル化することをめざしていました。で、デジタルだと大量のメモをいくらでも入力できるし、しかもキーワードで検索すると過去のメモもすぐに見ることができる、など最初はメリットばかりだと思って、もうすこしでロルバーンミニもやめてしまうかも、ぐらいの勢いでした。そのころは紙に書いたメモもほとんどデジタル化してスキャンしていました。

でも、デジタルだと情報が溜まっていく感じで、便利は便利なんですが、代謝が悪いな、というか結局こんなに溜めても「いつ使うんだい?」っていう自問自答をするようになりました。もちろんメモアプリやGoodNotes 5でも不要なメモを消したりすることはできるので、いくらでも代謝を良くできるんですが、でもどれだけでもiPhoneやiPadに入れて持ち歩けるし、大量のメモの中から検索もできるから、代謝をよくする必要がない。で、必要がないことは人間後回しになるので、結局、メモが必要なものも不要なものも全部たまっていく。で、その量が人間のアナログの感覚だと把握しきれないくらいになる、って感じだと思います。

なので、現在は僕はデジタルメモを保存というよりは、主に入力のツールだと思っています。音声入力やフリック入力は手書きより圧倒的に速いので、そのメリットを活かしたい。で、そこで必要だと思うメモだけをモバイルプリンターのPhomemoでそれを紙に出力します。この時点で、必要なものと不要なものをふるい分けすることになるので、代謝がよくなります。で、紙に貼って、読み返しながら必要なものを残していく。もちろんその時に必要なメモも時が経つと不要になるので、その場合はバインダーからはずす。

デジタルだと代謝を良くする必要がないので、逆に言えば代謝が悪くなっているのが分かりにくい。デジタルでのメモ保存でのデメリットはこれだと思います。いっぽう、紙の手帳は代謝が悪くなると、不要な情報に必要な情報がまぎれてしまったり、必要な情報がすぐに見つからなくなったりする。だから、読み返したり、付箋を動かしたり、リフィルを取り外したり、という作業をしながら、メモに書いたことが自分の身になっていくのかな、と思います。